ARAKI’s Column荒木美佐夫のコラム

「 職の共通性から感じたこと 」

しばらくぶりにコラム書きました。
ネタは沢山あり過ぎて まとまりません。
今回はフッと思いついた共通性から感じた事を1日で書きました。
実は僕、料理人を高校3年間バイトでミッちり&その後も時々パブや料亭の料理長に声をかけられ手伝いも含め足掛け5年やってました。

 

未成年ながら厳しい時、楽しい時、夜の世界、職人との接点、、、とかなりいい経験と、いい思い出です。

 

いまだに料理は好きで、エビチリや鶏肉とカシューナッツ炒めなど作ります。仕事ではピザは生地から、グラタンはホワイトソースから、デミグラソースを一から、自家製マヨネーズなども・・
いやー楽しかった。コックの時から好きだったら何でも試します。僕をホームパーティやBQに呼べば今でも大体は作りますよ。

 

煮物や炒め物にしましても、食材を何処までも利用し風味を十分に生かす、例えば、えびを軽く油でボイルしそのボイルした時の油はそのままその料理の隠し味として使ったりします。
缶詰のアサリの水煮も具は野菜と炒め、隠し味に時にその缶詰の煮汁を使う。
生イカもよく腸(ワタ)や墨まで使うでしョ。
長ねぎの葉、玉ねぎの皮や卵の殻は鳥ガラスープに活躍する、皆さんは知らないだけで豚や牛の臓器、胃袋まで料理の具になってます。

 

皆さん美味しいって言って食べてます。
こんな理に叶った作り方は、捨てる事の嫌いな僕にはたまりません。
その観点は今でも十分生かされてます。
収穫の恵みを最後まで残さず使わないとね。
バチが当たりますよ。地球のガンと言われますよ。

 

また、火力の違いで料理に「火」の味が出るのです、とにかく時間が勝負で味わい風味が一瞬にして変化します。
まるでフレームの溶接や製作の時の様だ。
それをいかに同じ料理を提供出来るか?
そこもプロの技でもある。

 

僕は豚や牛や鳥の頭以外ほとんど部位をバラしてきました。
Bike丸ごと1台をバラした時のように各部位に機能や形状、強度に意味が有るのです。(でも一頭丸ごとバラした事はありませんがね)
その経験はまた違った所でも共通性を感じた。

 

コックさんの頃に趣味で板金塗装屋さんの社長に知り合いがいてそこでもお手伝いしていた。そこで板金の親方に可愛がられ見初められ、一時就職した事もある。
その時期に興味をもった作業が塗装の調色と鉄の歪み方だった。
クルマの塗装は新車から中古車まで経過年数や気候・日差しで同じ一台の中でも面によって色が違うのです。それら全ての諸条件を把握し塗装する。

 

鉄板やモノコックフレームも衝撃後のチジミ方や伸ばし方、熱処理での変化。
それを職人は色合わせしボカしたり。金属を叩き出し復元するのです。

 

よく昼休みに要らないドアで色んなトーチの火で切ったり溶接したり時には炙って絞ってみたり・・自分で色々と経験したその経過の理屈を考えた。
また、親方に鉄板の叩き方を教えてもらった。

 

単にクルマのシロ色にも沢山有って、blue系、red系、black系、yerrow系色んな色をけっこう混ぜる→塗装してみると日光や蛍光灯によって色の見え方が違いメタリックともなれば縦横斜めの見え方も色々と変わってくる。
その微妙な色合せは、目薬を指すような感じの時もありそのわずかな一滴で今まで何ccも作って来た調色した塗料が”パー”になる時もあり色が壊れます。それを修復するには何倍もの量が必要です。

 

それは調味料を入れ過ぎた料理の様に、料理にも似ていた。

 

それでもクルマの塗装屋さんは調色データがあるのでまだ良いです。

 

しかし、僕がやろうとしていたバイクの再生リペイントは基本的にメーカーは修復できないように何色も複雑、且つキャンディ・パール・フレイク・・・・
などなど。
当然、塗装方法も材料もデータもまったく教えてはもらえなかった。
聞いても門前払いだった「企業秘密です!」とね。

 

80年代後半でしたが色々と塗料について調べて回った。
世間の塗料屋さんですら、そう言った塗料を知らない?
「何?キャンディカラーって?」と言う反応でした。
当時はパール塗装の補修が出来る職人は30人に1人位しかいなかった。

 

調色データーが無かった為、1000番位の水研ぎペーパーで塗膜の1枚づつをトップコートからベースカラーまで研ぎ分けた。みんなの想像を超える緻密な作業でした。

 

自己流でクリヤーにメタリック用の透け易い染料を混ぜキャンディっぽく塗装してみよう→なんか、以外にうまくいった!こりゃイケる!と思った。自分で考え毎晩熱中して分析に励んだ。
4コート~5コートは当たり前で下色が透けて見える塗装方法ですので1工程ずつ、色の濃さ、メタリック目の立ち方&石の大きさまで合わせる・・・
何回か試し吹きしてコレだッ!! と思って塗装すれば、乾燥した時にまた微妙に色が違う・・・その繰り返し。
自己流で1年数ヶ月してやっと重ね吹きのコツとガン吹きのコツが掴めた。
けっこう誰が見ても純正色だねと言われるまでになった。
同色に補修や再生するのはオールペンよりもズーッと難しいのです。

 

調色や調理にしても 今、携わるカスタムにしても何か共通性を非常に感じます。

 

レシピ通りに作ればある程度「美味しい」と言う範囲に入る料理が作れる。
また、データー通りに測りで配合し塗装すれば割りと似た色にはなる。

 

それはカスタムも料理も創作と言う面で同じだといつも感じている。
「付きますよ」と言う部品を取説見ながら装着し、雑誌を開き同じような部品でセットアップする→そこそこなマシンが出来上がる。
それはきっとレシピ通りのマシンとう事だ。
それが、最近雑誌でよく見る、ありきたりカスタムだろう・・・

 

同じような部品を(素材)を使っても、造形、カラーリング、コントラスト、ネバリ、たわみ、トラクション、車輌姿勢、角度、ディメンション・・・とSET UPの仕方で、溶接の仕方で、感性の表現で、こんなに違うの?!ッと感じてもらいたい。その辺SHOPは腕の見せ所でもある。

 

レストランで言えば、こだわりもなく、食材の処理も出来ず、火加減も、煮方・炒め方がレシピ通り?
とにかく”養殖モノ”でも良いから元々美味しい食材でごまかせ?!
……..と言うコックさん?ッてことですね。

 

そんなお店の料理、皆さん大金出して食べたいですか?
ご指名・予約しますか?

 

それは会社方針やコックの修業やバイタリティの問題でしょう。
緻密さ繊細さ創造力が共通して求められるものだと感じた。

 

最近、腕の立つ職人が減っているそうです。また職人芸的カリスマが減っている。どーしてもあの人じゃないとダメ!と言う人がね。
自分でカリスマだと言っちゃう?思っている?人はいっぱいいるけどね。

 

そう言えば当ショップのお客さん達も言ってました。
今は職人でなければ出来ないという取り組みでは、物事が進まない、ある程度研修やマニュアル化で、誰でも一人前の仕事が出来るような仕組み?システムにしていかないとダメなんです・・・
何でも機械化、合理化、マニュアル化、誰でも出来る化、なんです。
あとは見せ方や広告次第で世間の人は騙されちゃうんです・・・
と言ってました。

 

企業は利益優先、TIMEisMONEY、とにかく多く販売し消費させる事に執着する。
お客さんに数人いる大工さんも、言ってました。今はとにかく「工期」だ。
専門工場の機械でパターン通り削られた建材がその家用として届き金具と一緒にそれを組み立てるだけ、エアーツールで1本単価の高い釘をバッスン!バッスン!打ちつけ、トットと組み立てる。
何十年保証って?まだ経過した前例無いのにィ?
ノミやカンナを使う職人さんって?今ドーしているの?

 

我々の業界の話では、あの美しいチタン手曲げマフラー、製作には曲げた後の戻りを計算しながら曲げる。
力の入れ方次第では楕円になってしまう。あの集合部のピラミッド型の合わせ目は、入り組んだ部位の溶接で出来上がります。
アルミ、ステン、スチール、チタンも、他の国職人にはなかなか出来ない綺麗な規則正しい溶接ビ-ト。

 

しかしそんな手曲げマフラー職人も3Dベンダーの押され気味?
このままでは”CraftsmanShip”が消えてしまうのでは?

 

ん?でも以前テレビで見たのですが、職人が足りないと言うさなか、
開発力は健在のようで、元々は日本の町工場で世界最小のモーターを開発して現在では世界中のシェアNo1。
その会社の社長さんは、
「その技術は俺にしか出来ないんだよ」
「真似したくても無理だね」・・・・・・
とかなりの自信を持ってました。
そこには、繊細で几帳面な日本人らしいスピリッツを感じました。
やっぱり日本人は日本人らしく真のビジネスチャンスはココだ!
創造力と繊細さ&着眼点、それが日本人最大の武器だ。
スッゴイCraftsman集団を作ればいいんだな?こりゃ。
それは僕の一つの夢でもある。

 

皆さんの嗜好品やこだわりの為の部品つくりやカスタムでもあります。
もっと発祥地、元祖、本家本元を求めて欲しいです。
創造力あるからこそヒットやブームが起きたのです。
便乗商売で儲け横取りやコピー屋が横行すれば、そこからは何の発想も出て来ませんので、衰退します。
今 徐々に見直されている省エネ、モノを大事にする事、長持ちする事、工夫で最後まで使い切ること。
今までの消費者が消費しない者(非消費者)になることが地球の為になる。

 

機械やデジタル、利己主義会社に出来ないもの、足りないものとはなんだ?
その為に取り返しのつかない失いつつあるものとは何だ?
日本人のモノ創り。
それら継承してくれる人が今足りない。創造力ある若者が足りない。
その足りない原因とは?それとも必要でないのか?

 

戦時中の情報操作的なメディアのあり方や過剰、誇張した物事が多すぎる世の中で知らず知らず踊らされている民衆。
現代の習慣や体裁&報酬額の率が一体化し、日本人スピリッツを蝕んでいる様に個人的に感じる。

 

現代の若者のほとんどがゲームやIT、生活習慣や教育のせいか前頭葉ばかり発達してしまったキレやすい、飽きっぽい若者だらけと言われている。
何歳くらいの人達のことなのか?
「そんなのカンケーねぇッ♪」と言う子供達?

 

ITの進化の先に問われるものとはアイデンティティと言われている。
その中にもその時代なりの生き方があるのだろーか?
それも時代だ…と言って放って置いていいのか?
う~ん……..何か違う。
あと20~30年後の日本は3分の1が65歳以上です。
どこ見ても老人だらけ?になるのは確実。だそうです。
そんな時代にどれだけの人がBike乗ってくれるのだろうか?
ハヤブサやZ1に乗る65才のジーさん?
とかっているかな?
ハーレーはいそうだ。
でもライダーの絶対数は確実に減るだろう。
趣味嗜好もずいぶん変わるであろう?
それは我々の業界だけでなく全体的にかなりヤバイです。

 

ヤッバッ。
今の店の色からするとその延長で電動椅子のカスタムでもやるのか?

 

少子高齢化とグローバリゼーションが進む中、日本の労働力や人材不足は大問題。当然、国の政策で足りない労働力を研修・実習制度とか言ってドンドン外人に頼らざるを得ない時代が目の前まで来ている。
しまいには移民制度?
もう既にその辺のスーパーに買い物に行っても色んな外国語飛び交っている。
ワケ解らんズーズーしいおばちゃん連中がウヨウヨいるよねー

 

近い将来?いやもう始まっている?日本の問題や課題は山積み

 

・不法入国者を含んだ移住者の増加。
・世界経済の融合と連携深化。
・貿易の発展と依存。
・直接投資を含む外国資本の増加。
・ベンチャーキャピタルの遅れ
・多国籍企業による世界経済の支配の割合高まり
・文化の同化、欧米化
・異文化交流の機会増加
・子どもの教育またそれ以下の親の存在
・独身もしくは子どものいない、作らない夫婦が増す

 

しかし日本の政治はご存知の通り・・・・

イヤー・・・まずい、まずい。頭痛がしてきた。ボーッとはしていられない。うんーッと。まずは僕が出来る事とは?

えー・・・なんだ?

 

実際、今までのスキルと創造力を生かしデリバリーマシンを課題に考えてます。
僕は今、既に前から別会社設立し燃費向上する空力を駆使したエアロダイナミクス部品つくりに取り組んでおります。
また、交通弱者に優しい安全にも繋がるモノも取り組んでおります。
大手部品商社のOEM生産中です。
また、更なるレジャー施設の利用法の見直しや集客方法・・・
など、などアイディア盛沢山。またそこでも、今までの経験と感性と着眼点で何気にやり甲斐もあり、楽しく取り組んでます。

 

もちろんBike分野も頑張ってます、新発想のフレーム補強を提案中です。
CAD,CAM?CATA?を使いこなすセガレに、「あ~….チッと世代交代を感じる….」嫉妬しながら知財取得中の新しい消音装置も多種にわたり開発中でもあります。
と言う訳で色んな経験を積むほど判断も見る目も広くなる。
共通性を感じる。LINKしているんだ。
しかし、歳を重ねるほど1年間がとても早く過ぎ去る。
恐ろしい惰性と習慣に呑まれなければ、年齢に比例し豊富な経験、実績、人望を生かし、より内容の濃い人生になりつつあります。

 

人生は長いようで短い、今あるべき身のフリを知る為、着地点から逆算してみましょう。

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